認定NPO法人 ファーストアクセスは2016年12月2日、東芝さんの協賛により国際シンポジウム「東京炭素会議 2016 -海外で進む地熱発電プラント開発と日本企業の最新地熱技術」を、東京大学の国際協力学生団体 GREEN HEARTSと共催で開催しました。
(以下、敬称略)

まずは認定NPO法人 ファーストアクセスの常務理事・王菁が活動内容の報告と地熱開発にかかわる政治面および資金面でのバックアップについて解説しました。

講演 Lecuture

「ジブチのエネルギー安全保障と温暖化政策を強化する地熱発電」
アライタ・アリ ジブチ共和国駐日大使閣下

次にアライタ・アリジブチ共和国駐日大使がご登壇され、

  • ・国内にはエネルギー資源がほとんどなく、ほぼディーゼル石油に依存
  • ・ただし、水力資源が豊富な隣国エチオピアとの連係線が完成したのちは輸入という形で多くの再生可能エネルギーを使う事が可能に
  • ・これらの点から、2016年に東芝さんと地熱エネルギー開発に関わるMOMを交わしたことはエネルギー安全保障上でも、また温暖化政策上でも極めて意義深い

とご講演されました。

講演 Lecuture

「発効に至ったパリ条約/温暖化における地熱発電の可能性について」
東京大学 公共政策大学院 教授 有馬 純(元日本政府温暖化首席交渉官)

東京大学 公共政策大学院の有馬純教授は、温暖化政策に関わる日本政府の首席交渉官であったことやケニアでオルカリア地熱発電所の開発実務に携わったご経験をもとに、地球温暖化対策における地熱発電の役割についてご講演下さいました。

講演 Lecuture

「世界のマーケットで選ばれる東芝の地熱発電技術」
株式会社 東芝 執行役上席常務 風尾 幸彦

東芝さんは世界の地熱発電所において23%のシェアを誇る首位メーカーであり、ここ数年だけでもトルコやインドネシアそしてコロンビアなどにおいて次々と建設案件を受注されています。そこで風尾幸彦執行役上席常務は、東芝さんが日本で最初の地熱発電プラントを手掛けてから世界一の地熱プラント・サプライヤーになられた歴史とともに、世界各国にて東芝さんが選ばれる理由についてご解説頂きました。

パネル・ディスカッション Panel Discussion

「世界における地熱発電マーケットの将来動向」

<パネリスト>
アライタ・アリ ジブチ共和国駐日大使、株式会社 東芝 執行役上席常務 風尾 幸彦、認定NPO法人 ファーストアクセス 専務理事 王菁

<モデレーター>
東京大学 公共政策大学院 教授 有馬 純

そして最後は有馬先生がモデレーターとなって全講演者のパネル・ディスカッションとなりました。

テクノロジー(東芝さん)、政策(大使)、そして人(NGO)という三つの異なる角度から地熱発電の重要性を論じたのち、「経済開発のためには地熱プラントの安定した規模の大きい電力は欠かせないが、それだけでなく、それが届かない場所にも地域単位あるいは人単位のエネルギーを提供する事が重要」という見解でまとまりました。

MC
王菁(認定NPO法人 ファーストアクセス 常務理事)